200億円以上を調達しているBerachainの特徴と注目プロジェクト「Puffpaw」について
Berachainは、EVMとの互換性を持つL1ブロックチェーンであり、BeaconKitというCosmos-SDK を利用したフレームワークで構築されています。独自のコンセンサスメカニズムであるProof of Liquidity (PoL)を採用し、DeFiを中心とした流動性の提供に重点を置いており、VCから約200億円(142M$)を調達しています。
本記事では、Berachainの特徴と、Berachain上で展開される予定の注目プロジェクト「Puffpaw」ついて解説します。
今回の記事は、以下のような構成で進めていきます。
1.Berachainについて
(1)Berachainのコンセンサスメカニズム「Proof of Liquidity(PoL)」
Proof of Stake(PoS)が抱える課題点
Proof of Liquidity (PoL)のフロー
2 Berachain初のDePIN「Puffpaw」について
(1)電子タバコを使った禁煙プロジェクトPuffPawの特徴
電子タバコ業界が抱える問題点
Puffpawが電子タバコを通して取得する情報
Puffpawが公表している循環型ビジネスモデル
3.まとめ
1. Berachainについて
Berachainの特徴であるProof of Liquidity(PoL)について解説します。
(1)Berachainのコンセンサスメカニズム「Proof of Liquidity(PoL)」
BerachainはProof of Liquidity (PoL)という、チェーン上に展開される流動性を増やすことでチェーンのセキュリティを強化する新しいコンセンサスメカニズムを採用しています。現在、Ethereumでも採用されているコンセンサスメカニズムの主流は、Proof of Stake (PoS)です。このPoSが抱える以下の問題、課題点を解決するために考案されたのが、PoLになります。
・Proof of Stake(PoS)が抱える課題点
①バリデータとプロトコル(Dapps)が連携していない
②バリデータとプロトコル(Dapps)のインセンティブが一致していない
③バリデータが増えてセキュリティが向上するほど流動性が減少する
EthereumのPoSモデルでは、バリデータがブロックを検証した際に受け取る報酬の大部分をバリデータ自身が受け取るため、ユーザーがバリデータに対してアクションすること、プロトコル(Dapps)レベルから報酬の分配を受け取ることはできません。
このような構造で、バリデータとプロトコル(Dapps)のインセンティブが一致していません。また、バリデータになる条件が32ETHを保有・ステークすることであるため、バリデータが増える際に32ETHがロックされ、流動性が減少します。このようにEthereumでは、流動性を増加させる行動とバリデーションする行動のどちらもETHを使う必要があり、同じETHで両方行いたい場合の選択肢がありません。Berachainが考案したProof of Liquidity (PoL)では、バリデータとプロトコル(Dapps)が同じインセンティブを元に連携し、複数のトークンによる流動性提供とセキュリティ強化を実現する仕組みになっています。
実際にProof of Liquidity (PoL)を実現するフローは、以下になります。
・Proof of Liquidity (PoL)のフロー
①バリデータの候補は、ネットワークを保護してブロックを生成する資格を得るために、ガストークン$BERAを提供し、アクティブバリデータになる。
②アクティブバリデータの内からランダムに選択されたバリデータが、新しいブロックを提案する。
③Berachainは、新しいブロックを提案するためのガバナンストークン$BGTを、アクティブバリデータに割り当てて配布する。
④アクティブバリデーターは、受け取ったBGTを報酬金庫に配布する。
⑤ユーザーは、特定のトークンをBEXプールに預けて流動性を提供する。
例:$HONEY×$WBERAを流動性提供
⑥流動性提供者は、報酬トークンを受け取る。
例:$HONEY-WBERAを受け取る
⑦流動性提供者は、報酬金庫に報酬トークンを預けることで、預けた額に応じた量の$BGTを受け取る権利を獲得する。
⑧流動性提供者は、報酬金庫に分配された$BGTを請求することで、BGT保有者になる。
⑨BGT保有者は、アクティブバリデータに$BGTを委任でき、委任されたバリデーターはブーストバリデーターとなり、バリデーターが新しいブロックを提案した時の報酬が増加する。
上記のようなフローの元、Proof of Liquidity (PoL)は実現されます。ユーザーは、例示したBEX以外にも、Berachainに承認されたBend、BerpsといったDappsに流動性を提供できます。また、ユーザーが流動性提供することで獲得できる$BGTを、バリデータに委任することでセキュリティ強化に寄与できます。そして、委任したバリデータの報酬増加に加えて、ユーザーにもトークンが貰えるインセンティブがあります。
このように、PoSが抱える課題点を解消する新しいコンセンサスメカニズムを搭載したBerachainは、まだテストネットの段階にもかかわらず、約200億円(142M$)を資金調達しています。
2. Berachain初のDePIN「Puffpaw」について
(1)電子タバコを使った禁煙プロジェクトPuffPawの特徴
PuffpawはBerachainで展開予定のDePINプロジェクトで、Vape To Earnを掲げています。
Vapeは電子タバコのことで、電子タバコ業界が抱える以下の問題点を解消し、電子タバコを使った禁煙を目的としているプロジェクトになります。
・電子タバコ業界が抱える問題点
①普通のタバコよりも多くのニコチンを摂取してしまう人がいる
②販売業者とタバコ屋が80%のお金を取り、消費者は搾取されてしまう
Puffpawでは、実際の電子タバコを販売し、その電子タバコを通して以下のデータを監視・記録します。
・Puffpawが電子タバコを通して取得する情報
①1日あたりの吸気量
②吸引一回辺りの持続時間とタイムスタンプ
③各ポッドのニコチン%とフレーバー
④登録した友人の喫煙ソーシャルデータ(NFC経由)
また、オンチェーン上で発行されるノードライセンスと実際の電子タバコをペアリングすることで、$PUFFという独自トークンをマイニングできます。獲得できる$PUFFは、ノードライセンスのレア度とポッドの味、ニコチンの値、1日に吸引する回数によって変動します。
この$PUFF報酬は、ニコチンを含んだポッドの場合、吸引回数に応じて減少し、ニコチンを含まないポッドの場合、吸引回数に応じて上昇します。こうした仕組みによって、普通のタバコよりも多くのニコチンを摂取してしまうのを避けるインセンティブを生じさせます。
また、$PUFFの配布によって、これまで搾取されるだけだったユーザーに対する収益分配もします。
Puffpawは、初めにノードライセンスに投資する必要があり、ノードライセンスに応じた電子タバコと様々な味のポッド、$PUFFの初期割当がエアドロップされます。エアドロップされた電子タバコでポッドを吸引し、$PUFFをステークすることで、新たな$PUFFを稼げます。この$PUFFを消費してノードライセンスやポッドを購入したり、$PUFFを引出してSwapできます。また、電子タバコ同士をタップし合うことで、フレンドになる機能もあります。現時点で構想されているフライホイールは、以下になります。
・Puffpawが公表している循環型ビジネスモデル
Puffpawは、まだシードラウンドではあるものの、約8億円(6M$)の資金調達に成功しているプロジェクトです。Berachainで同様のプロジェクトはまだ発表されておらず、同一チェーン上では競合いない状態のため、Berachainが盛り上がれば多くのユーザーを獲得できる可能性がありそうです。
3.まとめ
Berachainは、Ethereumなどが採用している主流のコンセンサスメカニズムのPoSに対する問題、課題点を解消する、PoLを搭載した新興チェーンでした。2024年4月にシリーズBラウンドで約140億円(100M$)を資金調達しており、メインネットのローンチに向けて、引き続き注目すべきチェーンだと考えています。
また、Berachainは公式から承認されたBEX、Bend、Berpsなどに注目が行きがちですが、今回取り上げたPuffpawといった面白いプロジェクトも現れてきています。こうした新興チェーンに参入する面白いコンセプトのプロジェクトにも、引き続き注目していきます。
執筆者:こにちゃん
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