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[つぶやき#1] 一味ちがったウォレットプロジェクト『Backpack』

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[つぶやき#1] 一味ちがったウォレットプロジェクト『Backpack』

xNFTという実行可能なプログラムを持つウォレット『Backpack』を紹介するよ

hideyukiaka
Sep 9, 2023
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[つぶやき#1] 一味ちがったウォレットプロジェクト『Backpack』

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最近、あまりTweet(X)をしなくなり、私の生に対するインプレッションが落ちてきてる気がするので、年始から調べていたウォレット周りの情報を自分向けもかねて記事にしていこうと思います。

昨年末からパーミッションレスなNFTレンタルプロトコルの実現に向けてコントラクトウォレット(あるいはスマートウォレット)の領域を調査していました。

結果的にNFTの市場は壊滅的な状況となり、さらにBCGのほとんどが独自にウォレットを実装する流れがWaaS(Wallet as a Service)の台頭によって本格的にメジャー化したのを鑑みてその路線は停滞してしまいました。

ただ、コントラクトウォレットの実用化はEthereumに限らずおおよそのチェーンで模索され続けている領域なので、これを機会に情報を整理して皆さんに共有しつつ、不足している情報を補完し合えればいいなと考えています!

ということで、今回はタイトルにもある通り、他とは一味違うウォレット『Backpack』について紹介します。

※2023年6月28日をもってサービスはクローズしました。しかし切り口として面白いプロジェクトなので取り上げています(さみしい)



Backpackとは

Backpackとは、主にSolanaチェーン上のウォレットアプリケーションであるが、そのコンセプトは一般的な暗号資産ウォレットと異なり、xNFTという実行可能なプログラムを持つオペレーティングシステムと公式には表現されています。(ただし正確にはOSではない)

個人的にはSafe Appsみたいに iFrame 内でdAppsを使うような実装と体感近い

一般的な暗号資産ウォレットは、ウォレットプロバイダーを通じてフロントエンドのアプリケーションとやり取りをするユーザーインターフェースですが、Backpackはウォレットの内部でUniswapのようなアプリケーションロジックを実行できます。

ChatGPTやフラッピーバードなどのアプリをウォレットのUI上で操作できる体験は新鮮

極め付けにこれらのアプリケーションロジックがNFTという形で展開されている点も興味深いです。

公式サイト

xNFTの開発方法

ここで開発チュートリアルをやるつもりはありませんが、React xNFTという実行可能なNFTを構築するためのフレームワークを利用することで、ウォレットアプリ(正確にはブラウザ拡張機能)内部でアプリケーションを実行できるのだそう。

拡張機能の内部でウェブページを閲覧してるイメージ

import ReactXnft, { AnchorDom, View, Text } from "react-xnft";


ReactXnft.render(
  <AnchorDom>
    <App />
  </AnchorDom>
);


const App = () => {
  return (
    <View>
      <Text style={{ color: 'blue' }}>Hello, World!</Text>
    </View>
  );
};

一応ここのrepoにユースケースがあるみたいですが、あまり充実することなくクローズしてしまいました。

Github リポジトリ



Backpackのトラクション

昨年から激化したウォレット戦争の中で、ひっそりと異なるアプローチをしていたBackpackですが、どれくらいのトラクションを獲得していたのでしょうか?

オフチェーン・オンチェーンそれぞれサクッと見ていきましょう。

オフチェーンデータ

拡張機能(ウォレット)のダウンロード数

ダウンロード数は延べ50000+。メタマスクの200分の1、Trust Walletの10分の1くらいの規模感。

Chromeウェブストアはこちら

Twitterフォロワー数

@xNFT_Backpack のフォロワーは5.4万人。

実はBackpackはウォレットと同時に「MadLadsNFT」というNFTコレクションを展開していました。こちらのフォロワー数は4.6万人。

まだサービスがクローズしていなかった時期に活動を見ていましたが、ウォレットよりもNFTのセールに力を入れていた印象。

オンチェーンデータ

ユニークユーザー数

想定していたよりもトラクションがありました

xNFT(アプリ)ダウンロード数と推移

アプリはコンスタントに開発されていたようです
各アプリダウンロード数の推移

アプリがNFTという形でオンチェーンで管理されているため、どのアプリがどれくらい”本当に”ダウンロードされているかが可視化されるのは面白いですよね

AppStoreで🌸によるレビューは多いですし、ダウンロード数も一定数超えたら正確な数値を追えなくなるので、オンチェーンでしっかり記録される透明性には価値がありそうです。

この開発者が一体誰なのか?🌸ではないのか?というところまで本当は知りたい

あとは、どれくらいそのアプリの継続利用期間もオンチェーン上で把握できるとアプリに対するリアルな評価をトラストレスに評価することに繋がりそうです。

他にも細かなオンチェーンデータがDuneでまとめられているので是非覗いてみてください。

https://dune.com/osk2020/xnft-decoded


ということで今回は個人的に気になっていたBackpackというウォレット系プロダクトを紹介しました。

6/28にクローズしていましたが、ウォレット戦争が激化する中でも異彩を放っているプロダクトでしたので追ってみると面白いと思います。

ちなみに記事を書きながら知ったのですが、TwitterがXになったことに便乗してBuzzを狙っているのか不明ですがこんなスニークピークっぽいポストをしていましたので最後に共有して終わりたいと思います。


弊社ではNFTの企画から運用まで一気通貫でサポートさせていただいております。NFTの利活用に少しでもご興味ある事業者様は、ぜひご連絡ください。

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超絶仲良くしてもらっているta1sukeさんのニュースレターがかなり勉強になるので、ぜひ覗きに行ってみてください!

A web3 researcher's soliloquy

By ta1suke

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